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2012年8月25日土曜日

「ナショナリズムの起源と民族意識の誕生」を読んで

自尊心の低い人ほど「日本人であること」に固執する。なぜなら「日本人はすばらしい」という価値観に染まっていれば、なんの努力もせずに「自分はすばらしい」と思えるからだ。

冒頭のこの文章はその通りでしょうね〜。世の中の先行きが見えにくくなると、こういう自分に自信を持てない人たちが湧いてきては、自分を鼓舞するために騒ぎ立て、そのうち他国の人たちを卑下し始めて・・・。

それ以降のナショナリズムの話については・・・例えば「日本民族」という言葉が学術的に正しい言葉なのかどうか、それが何を意味しているのか、「日本人」とは異なる意味を持つのか、といったことがまず自分にはわからないということがあるわけです。

そして、ナショナリズムと帰属意識の違いがわかり辛いということ。

日本という島の中ででも、後から入ってきた連中(今の我々のことですが)が先住民や特定の人たちを辺境に押しやって搾取してきた歴史がありますよね〜。「もののけ姫」におけるアシタカの部族や、エボシ御前が率いるタタラの民を想像してもらえばいいかと。


この文脈だと、侵略してくる中央政府に対して先住民が抵抗したり武力衝突を繰り返したりというのは、ナショナリズムとは異なる帰属意識に基づくものということになりそうですが、「近代以前にもナショナリズムを思わせる事件は起きている」の例のひとつだということにもなりそうですし。

このあたりの筆者なりの言葉の使い分けが整理されれば、かなりわかりやすくなるような気がしますね〜。

興味のあるテーマなので、続きを楽しみに待ちたいと思っています。