2012年8月27日月曜日

「氷菓」第19話 感想

「氷菓」の第19話「心あたりのある者は」を観ての感想です。

折木奉太郎と千反田えるの二人による会話劇という珍しい話でしたね〜。そのために、二人の仲の良さばかりが目についてしまって w

まぁ、それはさておくとして・・・。

まず、自分がちょっとしたショックを感じたのは、関谷純の葬儀がすでに行われていたということ。

折木奉太郎の姉の折木供恵が海外を放浪しつつも、奉太郎を古典部に強制的に入部させたりして古典部と縁を持ち続けているのは、関谷純の行方を彼女なりに追っているからだと思っていたのですが、失踪の件に一応のケジメがついたとなっては・・・。

逆に言えば、折木供恵の言動の意図は、ますます謎につつまれてしまったわけで。

そして、このシリーズに特徴的な「青春のほろ苦さ」をどこに感じるかということですが、ネット上の感想を少し読んでみたところ、奉太郎とえるのリア充ぶりと比較して自分の高校時代は・・・orz みたいなところを挙げていたケースがちらほらとあるようです。

ですが、自分が感じたのはそこではなく(そこもありますが w)、神山高校というのは、旧家や名家、大病院の子息・息女がこぞって通っているようですから、おそらくは県下トップクラスの進学実績を誇る学校なのでしょう。そうした学校の生徒が、偽札事件の実行犯である暴力団の構成員と金銭の貸し借りをするような間柄になってしまっていたという点ですねぇ。

放送で呼び出しを受けたこの生徒は、何がきっかけで暴力団員と付き合いを持つようになったのでしょうか。そして、その付き合いは決して対等なものではなかったハズ。脅されることもあったでしょう。貸したお金の代わりに偽札を渡された時の心境は? 結果的には警察沙汰になったわけですが、この生徒のこれまでの高校生活、そして、その後の処遇がどのようなものになったかを想像すると、ドンヨリとした重たい気分になってしまうわけです。

もうひとつ。今回の話はえるが奉太郎の才能を褒めるところから始まるわけですが、奉太郎にしてもえるにしても、以前に書いたように(→Gen's Blog: 「氷菓」第17話 覚え書き 2 天才と凡人)、二人とも天才の部類に入る人間なんですよね〜。で、今回は我らが凡人代表の福部里志と伊原摩耶花は出番無し。天才二人の才能の見せ合いとなっているわけです。

そして、ゲームとして始めた推理は本当に当たっていたと。これは「クドリャフカの順番」で描かれたテーマと似ています。もし、この推理ゲームに福部里志と伊原摩耶花が参加していたなら、奉太郎とえるの圧倒的な才能の差に絶望感を感じて打ちのめされてしまっていたかも。だからこそ、福部里志と伊原摩耶花の出番は見送られたのかもしれませんね〜。

そうそう、千反田えるの疑問である「きな臭い」の「きな」ですが w「きな臭い」は「衣(布)臭い」とか「木の臭い」が語源ということなので、回答としては「衣(布)」、あるいは「木の」ということになりそうです。




追記