『職業としての小説家』(村上春樹、スイッチ・パブリッシング)を読み終わりました。
村上春樹さんの小説は『海辺のカフカ』まではほぼ全て読んでいるはずですが、特に熱心なファンでも読者でもありません。 でも、どういうわけか自分にとって気になる作家であり続けている人です。
で、この本を読み始めて最初に感じたのが、読みやすさ。なかなかこうした感想を持つ人はいないのかもしれませんが、読点(「、」)の打ち方が自分の感覚と合っていて、淀むことなくスムーズに頭の中に入ってくるという感じ。ここに読点があると良いなァと思うところに、いつもちゃんと読点があるわけです。
小説家になるきっかけというか書き続ける衝動やモチベーションに関する話の部分に関しては、映画「耳をすませば」の月島雫を思い浮かべながら読んでいました w
小説を書きたい、書こうといった突如として沸き起こる衝動、それは啓示あるいは悟りみたいなものなのかもしれませんけれども、そうしたものを自分は感じたことがなく、このあたりが世に出るべくして出る人と一生涯埋もれたままで終わる人間との差なのかも、と思ってみたり。
第九回「どんな人物を登場させようか?」という章はとても興味深く、そして面白く読むことができました。これを読むと、もう一度小説を読み直したくなります。
あとがきはそれまでのデスマス調から変わってしまって違和感がありますが、全体としてはものすごく面白く読むことができる一冊。というか、はっきり言って読まないと損かも w 読書好きの全ての人にオススメしたい一冊です。