トビカズラ
仏教の世界で3000年に一度だけ花が咲くといわれる「優曇華(うどんげ)」とも言われ、「開花すると国家的変事が起きる」という言い伝えもある
原産地は中国長江流域で、日本にも広く分布していたとされますが、現在では国内での自生は、熊本県と長崎県佐世保市沖の無人島の二カ所のみとされています。
熊本県山鹿市菊鹿町相良にある樹齢千年といわれるトビカズラをアイラトビカズラといい、1940年に国の天然記念物に指定されています。
20世紀末までは熊本県山鹿市菊鹿町相良地区に1本のみ自生しているとされていたが、2000年に長崎県佐世保市の沖にある九十九島の無人島である時計(とこい)島で自生しているのが発見された。2001年に持ち帰った花弁や枝葉などを熊本県山鹿市菊鹿町相良地区のアイラトビカズラと比較し、同種とされた。
本属の植物では雄蘂、雌蘂を閉じ込めた竜骨弁を強い力で押し下げることで蜜が得られ、同時に竜骨弁が開いて雄蘂と雌蘂が露出し、受粉が可能となる。それが可能な動物は夜行性のある程度大きな動物で、通常は植食性のコウモリである。本種のこれら2カ所の産地ではそれに相当する動物がおらず、そのために自然下では受粉が出来ないものと考えられる。