岡山、広島、島根各県境に接する町の多里地区にはかつて、耐火レンガの原料となるクロム鉱石の産出量日本一を誇った「若松鉱山」の遺構がある。
40~60年代の全盛期には若松鉱山から産出するクロムが国内シェアのほぼ半分を占め、戦後の高度経済成長にも貢献した。
海外産クロムの台頭で次第にシェアを奪われ、96年に休山、2001年には閉山に追い込まれた。
「天空の要塞(ようさい)」と呼ばれる鳥取県日南町の若松鉱山跡。かつてクロム鉱石の産地として日本の製鉄業を支えた国認定の近代化産業遺産だ。立ち入り禁止だが、事前申請すれば案内付きで見学が可能。
明治後期に操業を始めた若松鉱山。クロム鉱石の産出量で日本一を誇った。クロム鉱石は製鉄炉の壁に使われる耐火れんがの材料で、近代日本の製鉄業に欠かせない存在だった。
- チャンネル: 朝日新聞社