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2023年1月29日日曜日

昆虫を愛でる日本の文化


「風の谷のナウシカ」と「虫めづる姫君」の関係について触れているコメントが無いのは、意外な感じがしました。

主人公ナウシカのモデルとして、宮崎は日本の古典文学『堤中納言物語』に登場する「虫愛づる姫君」を挙げている。

彼(*ロバート・バッカス)はまた、物語内容と説話の伝承との類似点から数々の逸話が語られる人物、蜂飼大臣(はちかいおとど)として足高(あしたか)、角短(つみみじか)、羽斑(はねだら)などの蜂に愛称を与えて飼っていたとされる藤原宗輔(1077年から1162年)をモデルに描いているとしている。

何よりも人々を驚かせたのは蜂を飼いならしていたと言う話である。当時の日本にも養蜂は伝わっていたとはいえ、『古事談』ではそれを「無益な事」と人々から嘲笑されていたが、宮廷に蜂が大発生した際に宗輔だけが冷静に蜂の好物である枇杷を差し出したところ、蜂はその蜜を吸って大人しくなったと伝え、『十訓抄』では飼っている蜂の一匹一匹に名前を付けては自由に飼い慣らして、気に入らない人間を蜂に命じて刺させたとしている。