俳優になったとき、厳格な父は喜ぶどころか「縁を切る。勘当だ。帰ってくるな」と突き放した。そして親兄弟の死に目に会えなかったときには、周囲に「こんな不幸はない」と責め立てられた。高倉に「あなたに褒められたくて」という随筆があるのは有名だが、題にあるあなたとは母のこと。
「もうおふくろが死んでから、誰も褒めてくれる人、いないからね。自分でここまでよくやってきたな、と思う一方で『もしかしたら、一番大事なものを取っ換えっこで失ってしまったのかな』って反省するんですよ」
映画に対してこういう気持ちをお持ちだったとは・・・。