2020年12月28日月曜日

野沢菜漬け

野沢菜は特に味の染み込みにくい野菜ですが、漬け時間を短縮して、商品の回転を早くさせるために欠かせないものの典型が添加物でした。極端な話、塩漬けにした野沢菜を調味液に浸してトラックに積み込み、輸送中の荷台で漬物ができあがってしまうくらい。そうするとたしかに安くて鮮度の高い漬物に仕上がるものの、添加物を多用しなければなりません。野沢菜だけでなく、日本中の漬物業界がそのせめぎ合いだったのではないかと思います

これまで低コストの野沢菜漬けをたくさんつくってきましたが、実際のところ農家さんはとても苦労して野沢菜を栽培しています。素材としては非常にいいものなのに、全国のスーパーのバイヤーさんにとって“野沢菜=量販向けの安い漬物”というイメージが定着してしまっている。野沢菜漬けのブランド力を落としてしまったのは、私たちメーカーの責任でもあると反省していますが、本来の野沢菜漬けはそんなもんじゃない。