2021年3月21日日曜日

「風の神さま」

和紙に強そうなひげ面が描かれた人形は、刀に見立てた枝を差していた。住民たちは車座になってわらをない、縄を数珠の代わりにして「なむあみだぶ、なむあみだぶ」と唱えながら3回まわした後、集落外れの崖の上から眼下の会田川めがけてわら人形を放り投げた。