『落ちた』(沈没を意味する)と海軍武官はいっせいに叫んで騒然となったが、潜水知識のない陸軍武官は、『潜った、潜った』『成功だ』と手を叩き、歓声を上げて大よろこびする有様であった。あまりにも対照的な光景に、陸海軍の狭間を垣間見て、まるゆの開発に陸海軍が意地を張り合うバカげた縮図を見た思いがした
1944年5月、フィリピン・レイテ島へ3艇のまるゆが向かった。3艇とも故障続きで、2艇から壊れていない部品をかき集めて残り1艇に回すという事態に。しかも、その1艇も、実際にレイテ島に向かうときには、故障のため潜航できず、海上に浮上した状態で向かったとされる。結果、アメリカ軍の駆逐艦に見つかり、攻撃され沈没。(中略)この攻撃で少なくとも乗員32人が亡くなっている。