蟻の塔渡りで前の方が落ちた。まさか自分が滑落事故の通報者になると思わなかった。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 8, 2023
今日はもうここを渡る元気がなかったので、迂回路から部分的にだけ通ってとりあえず反対まで来た。
気をつけて下山する。 pic.twitter.com/5yLJFTblDR
関係者のご許可を得て、蟻の塔渡り滑落事故現場での通報の流れを記載します。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
私がスムーズに動けたのは過去に事故に遭遇した際にどう動いたらよいか、情報をまとめてくださったものを見た結果ですので、この情報がまた早期救助のために役に立つことを祈りつつ書きます。
長くなります。
事故発生直後、まず私たちは声かけを行いましたが応答がなかったため、即時に110番通報をしました。通報先は110番でも119番でもよいようです。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
電話に出た方の第一声は「事故ですか?事件ですか?」だったと記憶していますが、記憶していた情報に沿って最初に「事故です、山岳遭難です」と伝えました。
山岳遭難ということが伝わらないと、通報元・先で状況想定の不一致が起こり、無駄に時間を要してしまうという話を聞いたことがありました。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
発生現場が街ではなく山と認識いただいた上で、以降は警察の方のヒアリングに沿って、山域・事故発生場所、自身の氏名、生年月日・年齢、住所を伝えました。
その過程で私自身の安否・安全な場所にいるのかも確認して下さいました。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
同行者が安全な場所に座るよう誘導してくれたため私は大丈夫でしたが、最初は崖の縁で叫んでいたため、気が動転して自分自身が滑落して二重事故もあり得ると思います。通報時の身の安全は気をつけないといけないと感じました。
途中で通話先が長野県警に変わり、再度の内容確認と、具体的な事故の経緯、ご本人が単独かパーティか、年齢層、服装(上・下・ザック・ヘルメットの色)、先行後続の関係、現地の天気・体感の気温・風等の確認を受けました。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
特に単独か否かと先行後続関係、落下の方向性は念入りに確認を受けました。
また、細かい位置情報の確認がありました。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
具体的には、Google MAPを開いて、現在地情報の下部にある緯度・経度の数字情報を読み上げるよう指示を受けました。
今回、事故発生場所は稜線上で電波が1-2本立っていたため、その場を動かずに通報することができ、ほぼ正確な座標を伝えられました。
ですが、現地に電波がないケースは位置情報の共有が困難と考えられ、こういうケースでどうするのが最善なのかは、どなたか分かれば教えていただきたく思います。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
まず場所を移動しなければ通報自体が難しい状況かと考えます。
※事故に遭われた方の服装は、その時点で思い出せなかったのですが、風景として映り込んでいた写真が何枚かありましたので、カメラで画像を確認しつつ特徴を読み上げました。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
※これらは私の記憶に基づくもので、多少、前後関係の相違や情報の漏れがあるかもしれません。
一通りの確認を経て救助の話が進んだようで、電話を切る流れになりました。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
当日は予備バッテリーを持参しており、そこまでほぼ機内モードで運用してきてスマホのバッテリー残にも余裕があったため、その後も連絡が着きやすいように機内モード解除で山行を続けることで警察の方と話がまとまりました。
下山時点ですでに救助は済んでいましたが、再確認のため同行者とともに警察の方に改めて状況供述しました。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
その際、ご家族への写真の提供を申し出、本日お会いしてデータをお渡ししました。
普段から意味もなく風景や鎖場を記録として撮っていたものが、非常に残念な形ではありますが役に立ちました。
以上が今回の事故に居合わせた際の対応の流れです。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 9, 2023
警察の方からも今回の通報の流れについて問題なかった旨のコメントを頂きました。
今後の山行にて有事の際にお役立てください。
また、色々な状況が想定されると思いますので、状況を思い描いて備えることも大切かと思います。
少しだけ補足します。
— Miki▲ (@Miki_Yama17) October 10, 2023
長野県警では街も山も共通の担当者の方がカウンターになり、山専門の方はその後ろで必要な確認・助言をする形と見受けられました。
そのため、説明の際は登山の知識・用語を前提とせず、登山しない方にもわかるように状況を伝えるほうがよいでしょう。