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2017年11月19日日曜日
『人間らしくヘンテコでいい』読了
『人間らしくヘンテコでいい』(鎌田實、集英社)を読み終わりました。
人類史のおさらいみたいな感じの部分がたくさんあって、興味深く読むことができました。
ただ、人類がアフリカからあらゆる地域に移動し広がっていった理由を、もっぱら人類が好奇心旺盛だったからと説明してしまうのはどんなものかなァとも。
家族や群れ同士での水場や縄張りを巡る闘争の敗者、リーダーに挑んで敗れグループから追い出された者、捕虜や奴隷、伝染病や天変地異などで住み慣れた土地を離れざるを得なかったケース等々、当人たちにとっては必ずしも望んだ移動ではなかったことだって多かったように思いますけれどもね〜。
現在でも多くの人間が移動するきっかけとなるのは、不安定な政情や戦争などによる難民や大規模災害による避難民だったりするわけですし。好奇心から新天地を目指す人の割合って、例えば何万人、何十万人規模の難民の移動と比べるとどんなものなのでしょう。
それはそうとして、著者が指摘しているように、最近の若者が「旅」(←旅行ではなく)に出ようとしない、「旅」に出る余裕が無いという印象は自分も感じていて、少し気がかりなところです。ネットやマスメディア、本の情報だけでわかった気になっている人が増えているとすれば、危険な兆候でしょうね〜。