2021年7月3日土曜日

藤井聡太二冠、10代で九段に

九段昇段のこれまでの最年少記録は今回の対戦相手である渡辺三冠が16年前に記録した「21歳7か月」で、藤井二冠はこれを大幅に更新して10代で初めての「九段」の棋士になります。

 

2021年7月3日(土)に静岡県沼津市・沼津御用邸東附属邸第1学問所で行われたヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第3局で、藤井聡太棋聖が挑戦者・渡辺明名人に勝利。3連勝で棋聖防衛に成功しました。藤井棋聖はこれで王位と合わせてタイトル3期獲得となり、条件を満たしたことで九段昇進が決定しました。18歳11カ月での九段昇段は史上最年少記録です。




「△7一飛」。馬が利いているところに飛車を捨てる、普通はあり得ない手である。しかし、この飛車を取ると渡辺の玉が詰まされてしまう。あまりにも、あまりにも華麗な決め手であった。分からない局面が延々と続いたこの将棋だったが、最後にようやく、この将棋はもう続かないのだということが分かった。この華麗な一手を盤上に出現させられては、もう指す手がない。渡辺、斜め上を見上げて飛車を取る。首を差し出し、棋聖戦五番勝負が終幕した瞬間だった。