2022年6月16日木曜日

「出山横穴墓群 8号墓」

1993年の発掘調査で見つかったこの墓は、入口部の精巧な石積み構造が注目され東京都史跡に指定、その後永久保存するために温湿度を管理しながら公開している



墓前域に堆積した土砂の分析から、土砂の堆積と掘り返しが2回程度行われたことが推定され、また羨門の閉塞石の積み方からも、追葬がなされたことが推定される。玄室内の人骨の状態からも、初葬から10年以上経ってから追葬がなされたことは確実であり、2ないし3回の追葬が行われたものと見られている。
玄室内からは4体の人骨が発見された。玄室の一番奥、後室にあったA人骨は8歳前後の男性、その隣のB人骨は身長約150センチの40代の男性、後室の前室に近い場所にあったC人骨は身長160センチ前後の30代と見られる男性、そして一番玄室の入り口近く、前室と後室の境界付近にあったD人骨は身長150センチ程度の20代前半の女性と見られている。