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2022年10月25日火曜日

崩壊するタコマナローズ橋




初代の橋は設計上の問題により、架橋後間もない1940年11月7日、予想に満たない強風の影響で落橋した。なお、しばしば共振現象による破滅的な現象の例として言及されるが、共振であるとするのは誤解であると専門家によって度々指摘されている。
初代タコマナローズ橋は1940年7月1日に開通した有料道路橋であり、全長1600m、吊径間853m、幅員11.9mを有していた。
落橋の瞬間には橋梁上は無人で、人間の死亡者は生じなかったものの、橋の上に停められた車にとり残されていたアメリカン・コッカー・スパニエル犬1匹が死んだ。
落橋後の原因調査で、桁が薄い板状になっていると振動が非常に起こりやすいことがわかった。この振動は自励振動(発散振動)と呼ばれ,本橋では横風によって桁の上下に発生した空気の渦が桁を上下に振動させ、上下に振動した桁がさらに大きな渦を発生させて振幅を増大させることで引き起こされた。タコマナローズ橋の場合は、桁の薄さと幅員の狭さが相まって剛性が不足し、ついには振幅増大による崩壊を許容してしまったのである。