劇場公開された当時の感想をネットで調べてみたのですが、映画冒頭の一見シリアスな雰囲気のあのシーンは不要なのではないかと言う意見がチラホラとあったので、そのことについて。
あのシーンがあることの意味は、大きく二つあるように思います。
- 先輩から後輩へという伝統が自然発生的に受け継がれつつあるという暗示
- 彼女達4人の間でお芝居ごっこがブームになっているのだという説明
特に後者のほうですが、この説明があるからこそ、例えば、動く歩道でムギがインタビューを受けるシーン、そして、クライマックス直前の次のシーンが活きてくるわけです。
先ほどの投稿と同じようにセリフを抜き書きしてみました。
先ほどの投稿と同じようにセリフを抜き書きしてみました。
屋上から部室に戻った4人
- 澪:なぁ、どうやって切り出す?
- 律:う〜ん? まずは部長の私から「梓、聴いて欲しい曲があるんだ」
- 唯:うん、うん
- 律:次はムギかなァ、「梓ちゃんの為に作ったのよ」・・・とか
- ムギ:エッ、うまく言えるかなぁ
- 唯:笑ったりしちゃ駄目だよ、ムギちゃん
・
・
・
- 澪:梓、聴いて欲しい曲があるんだ
- 律:ナァ〜、澪まで〜
- 唯:あずにゃんの為に作ったんだ
- ムギ:あぁっ、唯ちゃん、それは私のセリフ・・・
そして、さらに言えば、「けいおん!!」の第25話(番外編)「企画会議」との繋がりも意識されているのかもしれません。
監督:山田尚子、脚本:吉田玲子、総作画監督:堀口悠紀子 を筆頭にこれ以上無いというような布陣で作られた映画なのですから、意味を持たない・適当に作られた場面は1秒たりとも無いハズ。
短絡的にマイナス評価を下すのではなく、ひっかかる点があればそこにはあえて何か込められた意図があるのではないかと、まずは推測してみることも必要なのではないでしょうかね〜。