腕利きハンター御用達の鉄砲職人
ハンターが使う銃の性能というのは、銃本体で決まるわけじゃない。使う弾薬、より正確にいうと薬莢のデザインで決まる
308がどういう薬莢かというと、いわば“NATO弾の亜種”で大量に生産されていて、ソコソコ当たる。だから500メートルぐらいまでの距離でシカとかを狙う分にはいいけど、相手がヒグマならどうか。僕に言わせれば、『そりゃ撃たない方がいいよ』というのが結論です
山を知ってる、クマを知ってる、(山を)歩ける。この三拍子がそろってないと、いくら射撃技術が高くてもヒグマはやれない。『ヒグマを撃ったことがある』という人でも、そのほとんどは、エゾジカなんかを追っているときに、たまたま出くわして、撃ったら獲れちゃったという偶発的なケースです。
親離れの仕方も変わってきて、これまではオスは産まれた場所から離れるのが普通でしたが、最近は、母熊の近くから離れない。しかもその生息域は人間の生活域のすぐ近くです。子熊は母熊からいろんなことを教わるわけですが、その中に『人間は怖いもの』という教えは含まれていないのではないか。むしろ『人間の近くで暮らしていれば何かと便利だ。人間は怖くない』と教えている世代だと思う。
そんなことを知らない人たちが山菜採りに、その藪の中に平気で入っていく。事故が起こらないほうが不思議な状況なんです。にもかかわらず行政の方は銃をめぐる規制を強める方向にあり、ハンターの人材不足は深刻そのものです
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