私的ブックマークと雑記 since 2012,07,07
ヘクトは、彼女が住む現代の西洋社会には宗教的なものを除けば「自殺はまちがっている」とはっきり主張する人がほとんどいないことに気が付いた。そして、宗教に頼らない方法で自殺を否定する論拠を探求するために、彼女は思想史を辿ったのだ。
一つめは「わたしたちは生き続ける責任を共同体に対して負っている」という議論だ。
二つめの議論は「自殺は未来の自分に対する責任に反する」というものだ。
哲学の領域には、生き続けるようわたしたちを励ます議論の系譜が二五〇〇年前から続いていることを知るのが慰めになるのを願う。